はじめに
この教材でご一緒するキャラクタを紹介します。製作メンバーの自作キャラクタです。
ヒゲオ
「わしはヒゲオ、みんなの先生じゃ!」
ピョン
「ピョンです。難しいことはちょっと苦手です。」
ペンタ
「オレはペンタ!よろしく!」
ヒゲオ
「まずはよくありそうな質問に答えるぞ!」
このWeb教材を作った関西学院高等部数理科学部って?
主な活動は数学に関する研究です。出版した査読論文掲載は、学生論文を含めると、アメリカ、オーストラリア、日本、韓国、シンガポール、イタリア、イギリス、 セルビアの8カ国で30編を超え、7カ国での国際学会での発表はこれまで16回あります。今年は、国際学会で4組発表しました。
どんなメンバーなの?
数理科学部は特別なメンバーの集まりではありません。あまり努力せずに難関大学へ合格 したようなすごい先輩はいません。受験を目指すメンバーは、3年生になると研究活動を辞めて、勉強しますし、 それをしなかった人は浪人して、大学へ入っています。数学オリンピックの問題を解けるようなメンバーはいない ので、予選にも参加しておりません。しかし、そんなメンバーでも特別な業績を残すことは可能なのです。
どうして業績を残せたの?
私たちはとても効果的な研究方法を持っているのです。そして、それをここで公開したいと思います。今回は、私たちが行ってきた数学研究を例にして、どのようにすれば新しいアイデアを出せるかについて説明します。これは創造性を発揮する方法の解説と考えてもらっても良いのです。だから、数学の研究自体には関心がない人でも興味を持ってもらえます。扱うのはゲーム的な数学なので、数学が嫌いな人でも大丈夫です。詳しい業績は、業績というコーナーにあります。
どんな研究方法なの?
大まかに私たちの研究方法を簡単に説明すると次のようになります。
1. まず、高校生が興味を持てそうな適当な問題を探します。例えば、有名な数学者が高校生向けに書いた問題集などには良い問題が多いです。詳しくはこのリンクへ。
2. 普通の数学の勉強では見つけた問題や、教えられた問題を解くが、私たちはそれを解くのではなく、変形します。ここで変形の仕方について少し説明します。数字を少し変えたり、数学的ゲームならルールを変えたりします。
3. 変形した問題を計算機で使って調べます。
4. 計算結果を数学的に考察します。
5. 面白い結果が出たらそれを証明します。
6. 学会発表、コンテストでの発表を目指し、特に良い結果は専門誌へ投稿します。
以上は数学研究の方法ですが、少し変えれば、数学以外の分野にも使うことができます。
創造性って?
創造性、「新しいものをつくり出す」というと難しいことのように思えますが多くの発見や新しいと言われるアイデアは、 すでにあるものをうまくつくり変えたものである場合が大半です。映画の巨匠、黒澤明氏の作品のいくつかは、シェイクスピアのストーリーを日本の舞台に移したものです。また、レナード・バースタインの曲で有名なウエストサイド・ストーリーはシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』の現代のアメリカ版です。
数学でもそれ以外のことでも、多くの人は、既にあるものをそのまま使うことの方が多いです。 もし、既にあるものを少しでも変えようとすると、それは今まで誰も気付かなかったことの発見につながります。
このWeb教材のテーマは、目の前にある問題を部分的に改変することを行うだけでも、うまく変形したら 新しい研究につながるということです。この方法による成果については、業績のコーナーを見てください。
そして、変形の方法を身につけると新しいアイデアを出すことができます。