参考になる本
良い問題というのは、一流の数学者が書いた中学生や高校生向けの問題集を読むと見つけることができます。 一流の数学者の書いた本にある問題は、私たちの経験では発展性があったり、 奥行きが深いように思います。
数学者のピーター・フランクルさんの本には良い問題が多く載っています。ここでは2冊だけ紹介しますが、他にもたくさんあります。
○ ピーター・フランクルの中学生でも分かる大学生にも解けない数学問題集 〈1〉日本評論社
○ ピーター・フランクルの中学生でも分かる大人が解けない問題集 代数編 日本評論社
ロシアや旧ソ連にはトップレベルの数学者が高校の数学教育に関わるという伝統があり、 優れた問題集が出版されています。
○ ロジカルな思考を育てる数学問題集(上,下) セルゲイ・ドリチェンコ著 岩波書店
○ やわらかな思考を育てる数学問題集1,2 ドミトリ・フォミーン 著 岩波現代文庫
数学の中で、高校生が研究するのに一番適している分野は組み合わせゲームです。 いろんな本が出版されていますが、あまり予備知識がなくても読めるものは次の2冊です。
○ 石とりゲームの数理 POD版 一松 信 著 (数学ライブラリー 教養篇) 森北出版
○ ゲームにひそむ数理―ゲームでみがこう!!数学的センス 秋山 仁, 中村 義作 著 森北出版
あまりに有名な問題は、数学的な教養を身につけるには良いのですが、それをうまく使うのは難しいです。例をあげると、 フィボナッチ数列、フェルマーの問題、四色問題、ポアンカレ予想、リーマン予想、3n+1問題などです。 少し計算機が使えると、フィボナッチ数列で遊んだり、素数を数えたりして楽しむことはできるのですが、 このような分野は超一流の数学者が何百年も研究してきたことなので、鑑賞することはできても、研究するのは難しいです。